
SECがビットコインETFの審査を開始 提案企業Bitwiseは承認に自信を見せる
SEC(米国証券取引委員会)は仮想通貨のマネジメント事業を手掛ける、米企業Bitwiseが申請したビットコインETFの上場審査を、2月11日から開始したことを明らかにしました。
最大で240日間の審査が行われるため、遅くても2019年10月ごろには承認可否の判断が決定します。
承認された場合の上場先は、シカゴに拠点を構える取引所NYSEアーカになる予定です。
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BitwiseはSECの懸念払拭のため1年間リサーチ
画像出典:https://www.bitwiseinvestments.com/
SECはビットコインETFの上場承認を、これまで何度も却下しています。
「不正に価格操作される可能性」、「詐欺を受ける可能性」の2点に関して、取引所がそれを防ぐだけの水準に達していないことが、非承認の主な理由です。
Bitwiseはこうした問題点を解決するために、約1年にかけてリサーチを行ってきたようで、SECの懸念払拭に自信を見せています。
また、これと合わせてCBOE(シカゴオプション取引所)と資産運用会社ヴァンエック、ならびにソリッドXが共同開発してきたビットコインETFも上場申請が行われたようです。
ビットコインETFが承認された場合、仮想通貨市場に大きな影響をあたえることから、SECの判断には注目が集まっています。
ビットコインETFとは?
ビットコインETFとは、ビットコインを使った上場投資信託のことです。
わかりやすくいうと、マクドナルドのセットのような存在です。
マクドナルドのセットでは、主役のハンバーガーだけでなく、ポテトやドリンクといった複数の商品が組み合わされ、1つの商品として販売されています。
ビットコインETFもこれと同じで、主役となるビットコインだけでなく、さまざまな企業の株式や金融商品を組み合わせてセットにし、1つの商品として販売されるのです。
ビットコインだけに投資をする場合、価格の変動によっては大きな損失が出てしまう可能性がありますが、ビットコインETFではその他の株式などにも分散して投資されているので、損失を受けるリスクを抑えることができます。
さらに、ビットコインETFは公的な機関に認可された取引所に上場します。
そのため、通常の仮想通貨への投資より、さらに信頼性が高くなる点も特徴です。
承認されるとどうなる?
ビットコインETFが承認されると、機関投資家(大口の投資家)の資金が仮想通貨市場に流入してくると言われています。
通常の仮想通貨への投資は、取引所のハッキングや、不正な価格操作など、さまざまな面でリスクがあります。
機関投資家は顧客から資金を集めて運用を行うため、仮想通貨のようにリスクのある商品は投資の対象になりません。
しかし、ビットコインETFであれば、公的な機関が認可した取引所で取り扱われるため、信頼性が高くリスクも低いことから、機関投資家の投資対象となるのです。
この機関投資家の資金が流入してくれば、ビットコインやそのほかのアルトコインの大幅な価格上昇が期待できます。
また、公的な機関に認可されたとなれば、ビットコインのイメージもクリーンなものに変わるでしょう。
このように、ビットコインETFの承認は、非常にポジティブな影響を仮想通貨市場にもたらしてくれるのです。
SECには内外から批判の声も
SECがビットコインETFの上場をこれまで何度も拒否したことで、過去には内部からも批判の声が上がっています。
SECのコミッショナーであるHester Peirce氏は、2018年9月に当時申請されていた全7種類のビットコインETFをすべて非承認としたことを受けて、「SECは規制当局の枠組みの中で革新を可能とし、介入主義者にならないようにすべきだ」との見解を示しています。
また、CFTC(米商品先物取引委員会)のコミッショナーであるBrian Quintenz氏も、今月の12日に行われたパネルディスカッションで「SECがこれまで非承認としてきたビットコインETFには、否定のための明確な根拠がない」と発言しており、内外からの厳しい批判がSECに向けられています。
2019年はビットコインETFが上場承認される可能性が高い
ビットコインETFは2018年に承認されると予想されていましたが、結果として2019年にその判断は持ち越されています。
また、SECに対する批判の声も強くなっていることからも、2019年中に承認される可能性は高くなっていると言えるでしょう。
今回の申請が承認されれば、低迷する仮想通貨市場がふたたび活気づくことは間違いないといえます。
みなさんもその動向に、ぜひ注目してみてくださいね。
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