リブラへの規制「迅速な対応をすべき」とG7各国が一致、価格に影響は?

主要7ヶ国(G7)の財務相・中央銀行総裁会議が、現在フランスで開催されています。今月17日には、フェイスブックが発行する仮想通貨リブラへの規制を迅速に行うべきだとして、各国の意見が一致したようです。

今回の記事では、規制当局がリブラに対してなぜこれほどまでに警戒感を示しているのかや、規制によって他の仮想通貨の価格へどのような影響が出るのかを検証していきたいと思います。

リブラへの早急な規制で各国が一致

出典:https://www.elysee.fr/en/g7

フェイスブックが6月18日にリブラのホワイトペーパー(企画書)を公開して以降、各国の政府や規制当局などからは懸念の声が相次ぎました。

中でも影響力の大きい米下院金融委員会のウォーターズ委員長は、「リブラの開発を中止すべき」と早々にコメントをしたことでも話題となりました。

そして、今回のG7でも議題に挙がったリブラは、各国が規制のための早急な対応が必要であるという共通認識で一致。

ドイツのオラフ・ショルツ財務相は、「必要な規制を見定めていきたい」と慎重な姿勢を見せながらも、大臣や中央銀行の間でリブラに対して「深刻な懸念」を持っていることを明かしており、フランスのブルノ・ル・メア財務相もG7内でのガイドライン創設が重要だと指摘しています。

また、日銀の黒田総裁は「必要な規制を検討したい」とコメントしただけでなく、仮想通貨に対して規制当局がガイドライン制定に積極的に関与すべきだとコメントしています。

リブラのケタ外れの規模感が各国の警戒感を強める

リブラは米ドルやユーロ、円などの法定通貨とペッグ(連動)したステーブルコインと呼ばれる種類の仮想通貨に分類されます。

こうしたステーブルコインは、これまで世界中でさまざまな企業が発行していますが、リブラほど話題になったことはありません。

これにはリブラのプロジェクトの、かつてないほどの規模感が関係しています。

スイスに設立されたリブラ協会のメンバーには、ビザやマスターカードなどの世界的な決済企業のほか、ボードフォン、ウーバー、ペイパル、スポティファイなどの名だたる企業が参加しています。

加えて、フェイスブックのユーザー数は世界中で22億人以上にも登ります。

同社が提供するアプリケーションとウォレット(カリブラ)が紐づくことも予想でき、かつてないほどの規模感で仮想通貨が利用されるようになることは間違いありません。

いっぽうで、フェイスブックは過去に顧客情報を流出しています。

リブラが稼働すれば決済などのビックデータはもちろんのこと、顧客資産につながるウォレットの情報などをフェイスブックが管理することになります。

これまでよりもさらに適切な情報の管理体制が必要となり、過去の事件からフェイスブックがそれを実現できるのか疑問視されています。

また、リブラの規模で1つの企業が資産管理を行うということは、銀行業に近い形です。

そのため、現在の銀行業の規制を遵守するだけでなく、テクノロジーに合わせた新たな規制が必要であることなども懸念を強めているポイントの1つとなっています。

この点に関しては、トランプ大統領もツイッターで指摘しています。

これに加えて、AML(アンチマネーロンダリング)やテロ組織の資金援助など犯罪への利用へどのような対応をするのかなど、リブラには課題が山積みの状態となっています。

規制によって仮想通貨の価格はどうなる?

ここ最近ではイギリスの金融規制当局が、仮想通貨の専門知識を持つアソシエイトや仮想通貨に関連した金融犯罪部門の新規チーム起ち上げに伴い、その分野に精通した人材を求める求人を出したことも話題を集めています。

仮想通貨の規制に対する流れは世界的なものであり、リブラの登場でより表面化してきたといえます。

いっぽう、他の仮想通貨への価格の影響はネガティブではないようです。

リブラのホワイトペーパー公開によってビットコイン価格は急上昇しており、ウォーターズ委員長の発言や各国の警戒心が強まる中でも、その影響は限定的です。

仮想通貨に対して「ファンではない」とし、「リブラは銀行業の規制を遵守すべき」と答えたトランプ大統領のネガティブなツイートですら、ビットコインにはポジティブな材料だと考えている投資家やアナリストもいます。

こうした人たちは、トランプ大統領が懸念しているのは管理主体がある企業が発行する仮想通貨であり、ビットコインはオープンソースであり管理主体もない仮想通貨のため、リブラとは違うと考えているようです。

これらの意見が必ずしも正しいかはわかりませんが、規制によって起こるのはネガティブなことだけではありません。

むしろ、規制によってビットコインの存在が正しく認められることで、機関投資家や保守的な投資家を呼び込むことにもつながります。

みなさんも、今後の動向にぜひ注目してみてくださいね。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。