
急速に市場が拡大しているステーブルコインの可能性とは
近年、仮想通貨市場の中でも急速な成長を遂げているのが「ステーブルコイン」です。
今回の記事では、ウォレットの開発や投資家向けのサービスを提供している企業「Blockchain Luxembourg S.A.」のレポートなどをもとに、ステーブルコインの現状と、その将来性について解説していきたいと思います。
ステーブルコインとは?
画像出典:https://www.blockchain.com/
ステーブルコインとは、アメリカドルや日本円などの法定通貨と、連動した値動きをする仮想通貨のことです。
たとえば、アメリカドルと連動した値動きをするステーブルコインがあったとします。
この場合、1ドルが110円で取引されていれば、そのステーブルコインも1枚あたり110円の価値を持つことになります。
その価値は発行元である企業が保証しており、定められた形式で申請することで、実際に法定通貨と交換することが可能です。
また、取引所に上場していれば、その取引所内で他の仮想通貨や法定通貨と交換することもできます。
通常の仮想通貨のように激しい値動きがないため、投機対象としての魅力はあまりありません。
しかし、法定通貨と連動した値動きによって、安定した価値を提供できるのが、その大きな特徴と言えます。
さまざまな国の企業がステーブルコインを発行
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上記の画像は、「Blockchain Luxembourg S.A.」のステーブルコインに関するレポートから抜粋した、現在発行されているステーブルコインと、その地域を表したものです。
アメリカを中心に、ロシア、韓国、イギリスなど、世界中のさまざまな地域でステーブルコインが発行されています。
またこのレポートでは、現時点で57種類のステーブルコインが発行されており、そのうち23種類が流通済みで、残り34種類は発行準備段階にあるという報告もされています。
日本でもGMOインターネット株式会社が発行予定
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2019年1月現在、日本国内ではステーブルコインを発行している企業はありません。
しかし、GMOインターネット株式会社が2019年中にステーブルコイン「GMO Japanese YEN」をアジア地域で発行する予定であることを、2018年10月9日に公式発表しています。
また、日本国内における仮想通貨の規制を行う金融庁は、「仮想通貨はステーブルコインに該当しない」という公式の見解を出したことからも、今後は国内でも多くの企業がその市場に参入してくることが予想されます。
なぜステーブルコインが注目されるのか
ここまで見てきたように、現在さまざまな国や地域でステーブルコインが発行されており、今後は日本国内でもその市場が拡大していくことも予想されます。
なぜ、これほどまでにステーブルコインが注目されているのでしょうか。
ここからは、そのメリットや将来性について見ていきたいと思います。
価格が安定しているので普及しやすい
仮想通貨は価格変動が激しく、短期間で50%以上の変動が起こることもあります。
そのため、日常生活の決済などでは普及しづらいと言われています。
これに対して、ステーブルコインは法定通貨と連動しているため、価格が安定しています。
日常生活での決済でも普及しやすく、日本円やアメリカドルなどの法定通貨と同じ感覚で使えるため、性別や年代を問わず幅広い層にも受け入れやすいと言えます。
低リスクで資産価値を増やせる
通常の仮想通貨は、市場での取引価格に応じてレートが変動します。
市場の状況によっては、大幅にその価値が下落してしまう可能性があります。
企業にとっては、自社の資産価値を減らすことになりますし、投資家にとっても大きな損失となります。
場合によっては、企業としての信頼性が問われる可能性もあるでしょう。
しかし、ステーブルコインであれば、価格の大幅な下落もなく、発行後も目減りしない一定の価値が保証されています。
それだけでなく、自社で価値を保証できる範囲であれば、いくらでも発行することができます。
このように企業側の立場で考えると、低リスクで大きな資産価値を手に入れることができるというメリットが、ステーブルコインにはあるのです。
ステーブルコインは市場規模を拡大していくだろう
2019年以降は、さらに多くの企業がステーブルコインを発行することが予測されます。
仮想通貨の市場の中でも、その存在感は大きくなっていくことでしょう。
また、通常の仮想通貨よりも普及しやすいため、この市場を勝ち取ることができれば、企業としても大きな成長を遂げることができます。
みなさんも今後のステーブルコインの動向に、ぜひ注目してみてくださいね。
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