Ripple・IBM・JPモルガン|強豪ひしめく国際送金の市場を制するのは? 

国際送金は仮想通貨やブロックチェーンを使い、大手企業が参入してきている現在もっとも競争の激しい市場の1つです。今回の記事では、主要な3社の国際送金への取り組みや、どの企業が市場を獲得するのか検証していきたいと思います。

そもそも国際送金とは?

国際送金とは、主に発展途上国から先進国へ出稼ぎにきている人が、母国の家族への仕送りなどで利用するサービスです。また、銀行が持っている他国の支店への流動性維持・確保や、企業が海外の商品やサービスを輸入・輸出など、さまざまなシーンで利用されます。

従来の国際送金は、SWIFT(国際銀行間通信協会)という組織が提供するシステムを使って行われてきました。1973年の設立以来会員数を伸ばしていき、現在では200以上の国や地域で利用されている世界でも最大規模のサービスです。いっぽうで、SWIFTのシステムは古く、現在の時代には合っていないという指摘も数多く存在していました。

実際にSWIFTを使った国際送金には、高いコストと時間がかかります。1回の送金にかかる手数料は、2,000円から高いもので5,000円ほどです。普段私たちが銀行振込をする時の手数料が数百円であることを考えると、だいぶ割高に感じますよね。さらに、送金が相手先に届くまでに3〜5日、長ければ1週間もかかります。

このように、従来の国際送金のシステムは割高なコストがかかり、ユーザーにとっては不利益な時代にマッチしていない存在となっていました。ここで登場するのが、仮想通貨やブロックチェーンを活用した国際送金のサービスです。

下記では、現在国際送金の市場にチャレンジしようとしている、Ripple、IBM、JPモルガンの主要な3社をピックアップして紹介したいと思います。

Rippleの取り組み

仮想通貨やブロックチェーンを活用して、国際送金の課題をクリアしようとしている代表格ともいえるのがRipple(リップル)です。実はRippleのプロジェクトは、仮想通貨が誕生した2011年よりも前、2004年から企画・開発が行われていました。

リップルの強みは、送金速度の速さと送金手数料の安さです。1件あたりの送金にかかる時間はわずか4秒で、手数料もたったの数十円ですみます。仮想通貨の中でも代表格のビットコインは、1件あたりに15分から1時間の送金時間がかかり、送金手数料は数百円から数千円になる場合もあります。また、取引の処理能力の高さも魅力です。ビットコインが1秒あたり3〜6件の取引を処理できるのに対して、リップルは1秒で1,500件もの取引を処理することができます。リップルがどれほど優れた機能を持っているのか、よくわかりますね。

2019年時点では、リップルが提供するネットワークへの加盟企業が200社を超えており、ここまで非常に順調かつ大規模にプロジェクトを進めています。

JPモルガンの取り組み

次に紹介するのが、JPモルガンです。JPモルガンの資産額は2兆2658億ドルで、アメリカ国内の銀行では第1位の資産額を持っています。JPMコインという独自に開発した仮想通貨を使い、自社のネットワークに加盟する企業に国際送金サービスを提供しています。

JPMコインは、先ほどのリップルとは少し違い、価格がアメリカのドルと連動する、いわゆるペッグ通貨と呼ばれるものに該当します。仮想通貨は価格の変動が激しいことで有名ですが、JPMコインは価格が法定通貨と連動しているので安定している点が特徴です。いっぽうで、取引所などで取引がされていないため、普遍的な価値を持っていないと疑問視する意見もあります。

IBMの取り組み

アメリカの大手ソフトウェア企業IBMも、「IBM Blockchain World Wire」ブロックチェーンを活用した国際送金のプロジェクトをスタートしています。IBMの強みは、すでに世界中の銀行をクライアントとして持っている点です。新規で顧客を取りに行く手間がかからない分、スタート段階からだいぶ有利な位置にいるといえます。

同社の製品では、仮想通貨Stellar(ステラ)のテクノロジーが採用されています。ステラはもともと、リップルの仕組みを参考にして開発された仮想通貨です。リップルが銀行間の利用を発行目的としていたことに対して、ステラは個人間での利用をメインの目的として開発されました。それもあってか、リップルと同様に送金速度が非常に速く、手数料も安い点が大きな特徴です。IBMのプロジェクトには、こうしたステラの優れた技術が使われているのです。

現状はRippleが優勢

ここまで3社の取り組みを見てきました。将来的にどの企業がプラトフォームを勝ち取るのかは、もちろんわかりません。しかし、現時点では他社よりも先駆けて取り組んできた、リップルが優勢であるといえます。実際にメキシコとフィリピンでは、XRPを使って送金を行うxRapidの商用利用がスタートしています。また、Ripple社のSVPであるAsheesh Birla氏は、xRapidの利用できる地域をさらに拡大させる方針であることを明らかにしています。

3社に共通する課題として、仮想通貨を使った国際送金は、そのサービスを利用する国の規制をクリアしなければいけないという点があります。特にリップルのxRapidは、送金元と送金先の仮想通貨取引所を経由する必要があるため、それぞれの地域の規制を遵守する必要が出てきます。リップルが提供するネットワークの加盟企業は国内外の大手企業・銀行を含めてすでに200社を超えているいっぽうで、こうした規制のジレンマを抱えていることから商用利用がいまいちスムーズに進んでいません。

3社の中でも規制をうまくクリアしていった企業は、国際送金の市場でも大きな影響力を持つことでしょう。規制のクリアは、国際送金市場を獲得するための重要なターニングポイントになりそうです。みなさんも、今後の動向にぜひ注目してみてくださいね。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。